衛星画像で上空の寒気の強さがわかる?「離岸距離」とは
2024-12-17
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
2024年最後の気象お役立ち情報は、冬ならではのテーマをご紹介します。
12月になり一気に冷え込みました。
この時期になると、天気予報では「上空の寒気」という言葉をよく耳にする機会が増えます。
気象衛星ひまわりが宇宙から観測する上空の寒気や雲などの現象は、気象庁HPで画像としてみることができます。
実はその画像には、雲の動きや形以外にも、上空の寒気の強さを示唆する目安があります。これが
「離岸距離」と呼ばれるものです。
今回はこの「離岸距離」についてご紹介したいと思います。
あまり聞きなれない難しそうな言葉ですが、実際には簡単に確認することができます。
目次 1.離岸距離とは 2.離岸距離と上空の寒気の強さ 3.おわりに
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■1.離岸距離とは
離岸距離とは、気象庁の定義では「寒気の吹き出しに伴って海面上の積雲列が発生し始める地点を岸から測った距離」とされています。
では日本の場合、「岸」にあたるのはどこでしょうか?
もうお分かりになった方も多いでしょう。その答えは、ユーラシア大陸の海岸線です。
つまり日本の場合の離岸距離とは「大陸の海岸線と日本海にある雲がどのくらい離れているか?」を指します。
https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#5/41.492/136.055/&elem=color&contents=himawari から引用
弊社にて画像を加工しています。■2.離岸距離と上空の寒気の強さ
離岸距離が短いか長いかで、上空の寒気が強いかどうかを推測することができます。
この離岸距離が短いということは、日本海に入ったらすぐに雲が発達していることを意味します。
これにより強い寒気が流れ込み、より発達した雲が日本へやってくるので、天気が荒れたり大雪が降る可能性が高くなります。
逆にこの離岸距離が長い(=海が見えている部分が大きい)ほど、寒気はそこまで強くないという見方をすることができます。
■3.おわりに
このように、降雪量などの数値だけでなく、衛星画像から直感的に得られる情報もあります。
気象衛星ひまわりの画像は気象庁のサイトから閲覧できますので、興味のある方は見てみてください。
しかし、今週や来週の大雪・荒天がどうなるか、やはり気象のプロに聞いておきたいという方もいらっしゃるかと思います。
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。
来年も気象についてのお役立ち情報をお届けしていきますので、よろしくおねがいいたします。
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