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以前
「悪天候による作業中止基準の目安について」でご紹介した基準の考え方について、引き続きご紹介します。
今回は大雨の基準についての内容です。
今回は、作業中止基準を考えるための
降水量の考え方について解説をします。
目次 1.1時間雨量と連続雨量 2.1時間雨量と雨の強さ 3.「連続雨量50mm」とはどんな雨? 4.連続雨量リセットのタイミング 5.おわりに
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1.1時間雨量と連続雨量 降水量で使われる指標には様々なものがありますが、よく使われるものには以下の2つがあります。 1時間雨量・・・1時間に降った雨がどこにも流れていかずに溜まった場合の、水の深さ
連続雨量・・・雨の降り始めから降り終わりまでの雨量(降水量)の累計値
他にも様々な指標はありますが多岐にわたるため、本記事ではこの2つに留めておきます。
まずは1時間雨量をみていきましょう。
2.1時間雨量と雨の強さ 気象庁では、雨の1時間雨量を以下のとおり区分しています。
(気象庁HPより)
この中で「1時間雨量50mm」は、5段階中の4段階目に相当しており、
非常に激しい雨であることがわかります。具体的には、
・都市部では排水が追い付かない ・道路が冠水するおそれがある ・視界が非常に悪くなる このような影響が出ることが考えられます。
「1時間雨量50mm」が観測されている間、屋外での運転や作業は
非常に危険といえます。
画像はイメージです。
3.「連続雨量50mm」とはどんな雨? 連続雨量とは、雨が降り始めてから降り終わるまでの累計です。
労働安全衛生規則の基発第101号等によると、作業中止となる悪天候(大雨)の基準は「1回の降水量50㎜以上」と例示されています。(労働安全衛生規則は厚生労働省の管轄のため、気象庁が定義しているわけではありません)
一般的には、この「1回」を「連続雨量」として解釈し、作業中止基準を設定することが多いようです。
ただ、一言に「連続雨量50mm」と言っても、以下のように様々な降り方が考えられます。
<例1>1時間10mmの雨が5時間続く |
持続的に降り続ける |
<例2>1時間20mmの雨が2時間続き、1時間止み(0mm)、1時間10mm降る |
降ったりやんだり |
<例3>1時間で50mm降る |
急激に降る |
上からそれぞれ5時間、4時間、1時間かけて50mmの雨が降ったことになります。
下に行くにつれて強い雨が降っているといえるのですが、一番上のパターンでも油断は禁物です。
先の表でもある通り、1時間雨量10mmの雨であっても地面に水たまりができ、大きな影響を与えることがあります。
低い土地や排水の悪い場所は浸水のリスクがありますし、前日までにまとまった雨が降っていて土壌中に雨量が多く溜まっている場合は、土砂災害の危険性も考えられます。 現場で「連続雨量50mm」に達しそうなときは、気象情報はもちろん、現場環境に異状はないか、養生や緊急時の連絡体制に問題がないか、再開するときの基準は明確になっているか、いま一度、関係者と認識を統一しておきましょう。
4.連続雨量リセットのタイミング ここで、ひとつ気になる方もいらっしゃるかと思います。
<例2>のように、一時的に雨が止んでいるとき、そこで連続雨量のカウントはリセットされないのか?という点です。
実は「雨が止んで〇時間経過したら連続雨量をリセットする」という一律の決まりはなく、各観測所によって異なります。
そのため、各自治体の防災システムを利用する場合は、連続雨量がリセットされるタイミングを把握しておかないと、思わぬ判断ミスを招く可能性もあります。 通常システムの説明ページなどにリセットのタイミングが記載されていますので、そちらも確認しておくのが良いでしょう。
5.おわりに 1回の降水量50mmといっても、短時間に一気に降る場合や長時間かけて蓄積される場合があり、それによるリスクは様々です。
様々な雨の降り方を想定した上で、1時間雨量・連続雨量などさまざまな指標で作業中止基準を設定しておくことが、現場での大雨に対する迅速な対応や現場作業員の安全確保につながります。
また、雨だけでなく、気象は常にめまぐるしく変化します。
普段から身の回りの気象情報を把握しておくこともあわせてお勧めします。
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また、上記にあった連続雨量のリセット基準も、貴社の現場に応じて無降雨1~48時間まで自由に設定可能! さらに、
専属の経験豊富な気象予報士によるコンサルティングも受け付けておりますので、今回ご紹介した雨による作業中止判断について等、見るべきポイントなども気軽に質問することもできます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。