最新情報

_SYSMET NEWS

HOME

最新情報

製品お役立ち情報

【建設現場の熱中症対策】暑さ指数(WBGT)は作業強度・服装・暑熱順化で変わる

2024.8.2

【建設現場の熱中症対策】暑さ指数(WBGT)は作業強度・服装・暑熱順化で変わる

SNS Share

建設現場の熱中症対策では、「気温」「湿度」「輻射熱」にもとづき熱中症リスクを定量化する指標である暑さ指数(WBGT)を確認することが重要です。

熱中症になる可能性をはかる指標として、前回の記事【気温が高いだけが「暑さ」じゃない!? 「暑さ指数(WBGT)」を知って熱中症を回避しよう!】では暑さ指数(WBGT)について解説を行いました。


しかし、熱中症の要因となるのは暑さ指数(WBGT)だけではありません。そのときに行う作業や、着ている服も、熱中症のリスクに大きく影響します。例えば、暑さ指数(WBGT)が27であっても、軽い点検作業と、炎天下でのショベル作業とでは、身体にかかる負担は同じではありません。通気性の低い保護服や重ね着をしている場合は、さらに体内に熱がこもりやすくなります。



そこで、熱中症予防のためには

1.暑さ指数(WBGT)
2.衣類の組み合わせによる補正
3.身体作業強度等と暑熱順化に応じた暑さ指数(WBGT)基準値

の3つの要素を組み合わせて考慮する必要があります。
今回の記事では、

2.衣類の組み合わせによる補正
3.身体作業強度等と暑熱順化に応じた暑さ指数(WBGT)基準値

についてご紹介します。

1.衣類の組み合わせによる補正
2.身体作業強度とは?
3.建設現場における暑さ指数(WBGT)評価の流れ
4.おわりに

1.衣類の組み合わせによる補正

作業時の服装によっては、汗の蒸発や身体からの放熱が妨げられることで、熱中症リスクが上がる場合があります。特に、通気性・透湿性の低いつなぎ服、防護服、重ね着などは、身体に熱がこもりやすくなるため、測定した暑さ指数(WBGT)値に「着衣補正値」を加えて評価します。

以下の表は、厚生労働省の熱中症防止関連の資料などにまとめられているものです。※※厚生労働省「職場における熱中症防止のためのガイドライン」(2026年3月策定)をもとに作成しています。

衣服の種類

作業服

つなぎ服

単層のポリオレフィン不織布製つなぎ服

単層のSMS不織布製のつなぎ服

織物の衣服を二重に着用した場合

つなぎ服の上に長そでロング丈の不透湿性エプロンを着用した場合

フード無しの単層の不透湿つなぎ服

フード付き単層の不透湿つなぎ服

服の上に着たフードなし不透湿性のつなぎ服

フード

暑さ指数(WBGT)値に加えるべき補正値(℃-WBGT)

0

0

2

0

3

4

10

11

12

+1

※ 透湿抵抗が高い衣服では、相対湿度に依存する。着衣補正値は起こりうる最も高い値を示す。
※ SMS はスパンボンド-メルトブローン-スパンボンドの3層構造からなる不織布である。
※ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、その共重合体等
の総称である。

この表をもとに、現在の着衣に応じて暑さ指数(WBGT)へ補正値を加えます。

着衣補正を行うと、実測した値よりも熱中症リスクを高く評価する必要がある場合があります。補正後の値を、身体作業強度と暑熱順化の状況に応じた基準値と比較しましょう。
この補正を行った上で、次でご紹介する「身体作業強度等に応じたWBGT基準値」を見ていくことになります。

2.身体作業強度とは?

身体作業強度とは、作業によって身体が消費するエネルギーや、身体にかかる負担の大きさを表したものです。

身体作業強度等は以下のようにまとめられています。

厚生労働省「WBGT値を把握して熱中症を予防しましょう!」より

表の中にある「代謝」を分かりやすく言いかえると、「ヒトが作業に用いるエネルギー」のことです。
すなわち、表の下に向かっていくほど、「肉体的な負担が大きい作業」ということになります。

「暑熱順化しているか」も確認する


また、表の右を見ると、「熱に順化している(=暑熱順化している)かどうか」でWBGT基準値が異なっていることが分かります。

暑熱順化とは、一定期間、暑い環境で身体を動かすことによって、身体が暑さに適応した状態を指します。厚生労働省のガイドラインでは、個人の健康状態を確認しながら、7日以上かけて作業時間や身体的負荷を段階的に増やすことが示されています。
また、夏季休暇などで暑熱環境から離れると、4日後には暑熱順化が失われ始めるため、長期休暇明けの作業員にも注意が必要です。

次のような作業員は、暑さに十分慣れていない可能性があります。

  • 新しく現場へ入った作業員

  • 長期休暇明けの作業員

  • 梅雨明け直後など、急に暑くなった時期の作業員

  • 普段は屋内で勤務している作業員

  • 体調不良や休職などで現場を離れていた作業員

特に身体作業強度が高い作業では、暑熱順化の有無によってWBGT基準値に大きな差があります。「去年も暑い中で作業していたから大丈夫」と考えるのではなく、直近の作業状況をもとに判断することが重要です。

3.建設現場における暑さ指数(WBGT)評価の流れ

現場での熱中症リスクは、次の流れで評価します。

①実際の作業場所で暑さ指数(WBGT)を測定する

黒球付きのWBGT指数計を使用し、作業員が実際に作業する高さや場所で測定します。

②衣服に応じた補正値を加える

作業服、つなぎ服、保護服、重ね着、フードなど、その日の着衣状況を確認し、必要な補正値を測定したWBGT値に加えます。

③身体作業強度 を確認する

点検や車両運転などの軽い作業か、釘打ちや盛土などの中程度の作業か、重量物運搬や掘削などの重い作業かを分類します。その際は作業員が暑さに慣れている(暑熱順化)をしているかも合わせて考慮します。

④基準値を超えている場合は対策を行う

補正後のWBGT値が基準値を超えている、または超える可能性がある場合は、次のような対策を検討します。

  • 送風機、冷房、ミストなどで作業環境を改善する

  • 身体的な負担の小さい作業へ変更する

  • 休憩回数や休憩時間を増やす

  • 作業時間を早朝や夕方へ変更する

  • 状況に応じて作業を中止する

4.おわりに

このように、一言に暑さ指数(WBGT)といっても、それを現場の熱中症予防に活かすためには、さまざまな要素から複合的に判断することが重要です。

【気象総合プラットフォーム ZEROSAI X-AI】では、暑さ指数(WBGT)の予測・観測・報知を一元管理することで、熱中症対策に役立てることも可能です。
また、現在の暑さ指数(WBGT)をもとに、作業を行う際に参考となる身体作業強度(代謝率レベル)の目安を確認できます。

シスメット株式会社

  • 〒802-0979 福岡県北九州市小倉南区徳力新町2丁目8番11号

  • TEL:093-965-1033 

  • Email:info@sysmet.co.jp