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近年の夏は、35℃を超える「猛暑日」が珍しくなくなり、毎日のように各地で熱中症警戒アラートが発表されています。こうした中、気象庁は2026年から最高気温が40℃以上となった日を「酷暑日」と定めました。今年の夏も厳しい暑さとなる日が多く、天気予報などを見ると、「最高気温は何℃か?」に目が向きがちですが、実は気温だけでは暑さの厳しさを十分に判断できません。
そこで登場するのが、「体感温度」「不快指数」「WBGT」といった、気温とは別の「暑さを表す数字」です。どれも暑さに関係する数字ですが、それぞれ目的も計算方法も違います。今回はこの3つの数字の違いを解説します。
1 「体感温度」は、どう感じるか
2 「不快指数」は、どのくらいムシムシするか
3 「WBGT」は熱中症の危険度を見る
4 おわりに体感温度は、実際の気温とは異なり人が感じる暑さや寒さを温度として表したものです。ただし、「体感温度」という一つの決まった計算式があるわけではありません。代表的な指標の一つが「SET*(エスイーティースター)(標準新有効温度)」です。
SETは、ASHRAE(米国暖房冷凍空調学会)が基準として用いる指標で、
気温、湿度、風速、放射熱、運動量、着衣量
などから、人の体と周囲との熱のやり取りを計算します。SET*の計算は複雑なため、通常は専用の計算ソフトなどを使って算出します。
例えば同じ30℃でも、風が吹けば涼しく感じますし、日なたで運動をしていれば、より暑く感じます。
つまり体感温度は、「人が実際にどう感じるか」を詳しく考える指標です。
不快指数は、気温と湿度から「蒸し暑さ」を表す指標です。
気温・湿度だけで計算するため、比較的シンプルに算出することができます。
数字が大きいほど蒸し暑さを感じ、不快指数85では日本人の約93%の人が蒸し暑さのため、不快に感じるとされています。
例えば、気温33℃・湿度70% → 不快指数は約86となり、かなり蒸し暑く感じる環境です。
ただし、風や日差しは計算に含まれていないため、気象庁は不快指数だけでは必ずしも実際の体感と一致しないと説明しています。

暑さ指数(WBGT)は、熱中症を予防するために使われる指標です。
熱中症は体温の上昇に伴う調整機能のバランスが崩れ、身体に熱がたまることにより引き起こされます。そのため単純な気温だけでなく、
湿球温度、黒球温度、乾球温度、全天日射量、平均風速から求められます。
湿球温度:汗の蒸発のしやすさ、湿度の影響
黒球温度:日差しや地面から受ける熱
乾球温度:通常の気温
これらを用いることにより、暑さ指数(WBGT)は「人の体にどれくらい熱がたまりやすい状況なのか」を見ることができます。環境省は暑さ指数(WBGT)の運動に関する指針として、危険度を4段階に分けており、31以上になると最も高い、「危険」となり、特別な場合以外は運動を中止すると定めています。また、日最高暑さ指数(WBGT)が33に達すると予想される地域には「熱中症警戒アラート」が発表されます。
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気温が同じ30℃でも、
風が強く吹けば涼しく感じ、体感温度が下がります。
湿度が高ければ汗が蒸発しづらく、不快指数は高くなります。
風が弱く強い日差しを受ければ体の熱が逃げにくく、暑さ指数(WBGT)も高くなりなります。
つまり、「気温30℃」という一つの数字だけでは、その日の暑さを十分に表すことはできていないのです。
暑さを知りたいときは、
感じ方を見るなら「体感温度」
蒸し暑さを見るなら「不快指数」
熱中症対策なら「暑さ指数(WBGT)」
と、目的に合わせて使い分けると分かりやすいでしょう。

特に、安全管理の面では体感や不快指数だけに頼らず、暑さ指数(WBGT)を確認して熱中症の危険度を判断し、しっかり対策を講じて暑い夏を乗り切りましょう。
本記事は、シスメット株式会社に所属する気象予報士が内容を確認・監修しています。シスメット株式会社は、建設・海運・造船などの現場向けに気象・海象情報を提供する民間気象会社です。気象総合プラットフォーム ZEROSAI X-AI NETIS登録番号QS-260002-A
は熱中症対策に活用することができます。
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