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台風が発生すると、まず気になるのが「どこへ進むのか」です。
南の海から日本へ近づいてくる台風もあれば、動きが遅く、ふらふらと複雑な進路をたどる台風もあります。
では、台風の進路は何によって決まっているのでしょうか。今回は、台風の進路を決める要因と、迷走する原因を解説します。
目次
1 そもそも台風って何?どうやって発生する?
2 台風の進路はどう決まる?
3 なぜ「迷走台風」が現れる?
4 台風の進路を見るポイント台風は、暖かい海の上で発生する
熱帯低気圧のうち、
太平洋や南シナ海にあり、
中心付近の最大風速がおよそ17m/s以上
になったものをいいます。
台風が発生・発達するために重要なのが、暖かい海から供給される大量の水蒸気です。
海面水温がおおむね26℃以上の暖かい海域では、海面から水蒸気が空気中に供給されています。この暖かく湿った空気が上昇して雲を作り、水蒸気が水滴になるときに放出される熱が、さらに上昇気流を強めます。この繰り返しによって雲がまとまり、渦を巻く低気圧が発生し、次第に熱帯低気圧へと発達します。
ただし、海水温が高いだけで必ず台風になるわけではありません。周囲の風の状態や上空との温度差など、いくつかの条件がそろう必要があります。海水温の他に特に重要なのが、「コリオリの力」です。コリオリの力は、地球の自転によって、北半球では反時計回りの回転となり、熱帯低気圧発生のきっかけとなる渦を作ります。一方、赤道付近ではコリオリの力が弱く、渦が発達しにくいため、台風は赤道から少し離れた北緯10度前後の海域で多く発生します。
発生した台風の進路を考えるうえで、まず重要なのが太平洋高気圧です。太平洋高気圧は、梅雨明けの初夏から秋にかけて、日本の南から東の海上へ張り出しを強めます。
台風は、この高気圧のふちに沿うように進むことが一般的です。太平洋高気圧が西へ張り出していれば、台風は高気圧の南縁に沿って西寄りに進みます。高気圧の西端付近まで進むと、台風は更にふちに沿って北寄りへ進路を変えます。
一方、太平洋高気圧の張り出しが弱いと、西寄りに進む力も弱くなり、より早い段階で北寄りに進むこととなります。
太平洋高気圧のふちに沿って北上してきた台風が中緯度帯まで進むと、今度は上空を西から東へ流れる偏西風の影響を受けやすくなります。台風が偏西風の流れに乗ると、速度を上げながら東寄りへ進路を変えます。また、さらに北上する過程で温度構造が変化し、温帯低気圧へ性質を変えたり、前線に取り込まれたりして、台風ではなくなることもあります。なお、偏西風は高高度を流れる風のため、その位置は地上天気図では分かりにくく、高層天気図などで確認することができます。
という一般的な台風の進路は、太平洋高気圧と偏西風の組み合わせによって生まれます。
つまり、太平洋高気圧の張り出し具合と偏西風の位置が、台風の進路を決める大きなポイントとなるのです。
前述のように、すべての台風がきれいに高気圧のふちを進み、偏西風に乗るわけではありません。進む速度が遅くなったり、方向を何度も変えたりすることがあります。
こうした複雑な動きをする台風は、一般に「迷走台風」と呼ばれます。では、どのようなときに迷走しやすくなるのでしょうか。
太平洋高気圧がしっかり張り出していれば、台風はそのふちに沿って進みやすくなります。ところが、高気圧の張り出しが弱かったり、形がはっきりしなかったりすると、台風を導く流れも弱くなります。そのため進行方向が定まらず、台風の動きが遅くなったり、進路が複雑になったりします。
台風が北へ進めば、いつでも偏西風に乗れるわけではありません。偏西風が台風の位置よりかなり北を流れている場合、台風がその流れまで届かないことがあります。すると、太平洋高気圧のふちを進んできても、東へ運ぶ強い流れに乗れません。その結果、その場でゆっくり動いたり、進行方向が定まりにくくなったりします。
さらに複雑なのが、近くに別の台風や低気圧がある場合です。複数の低気圧が近くにあると、それぞれの風の流れが影響し合います。特に台風同士が接近すると、お互いの周りを回るような動きをすることもあります。こうした状況では、太平洋高気圧のふちや偏西風といった通常の流れにうまく乗れず、台風が大きく曲がったり、速度を落としたりすることがあります。
つまり迷走台風は、台風を動かす風が弱かったり、進むためのルートがはっきりしなかったりすると起こりやすいということです。

迷走台風は一般的に動きが遅いため、接近する地域での影響が長引くことに加え、台風周辺の微妙な風の変化で進路が変わるため、進路予想が非常に困難となることがあります。
台風情報を見るときは予報円だけに注目しがちですが、天気図で気圧配置を見ると、なぜその方向へ進む予想になっているのかが少し見えてきます。
チェックしたいのは、
・太平洋高気圧がどこまで張り出しているか
・偏西風がどのあたりを流れているか
・周辺に別の台風や低気圧がないか
という点です。
また、台風は周囲の大きな空気の流れに乗って進むため、その流れが弱くなったり複雑になったりすると、「迷走」することがあります。
こうした点に着目すると、ニュースで見る台風の進路図も、今までとは少し違って見えてくるかもしれません。
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