いつもお読みいただき、ありがとうございます。
今回も、熱中症に関連する記事をお届けいたします。
熱中症になる可能性をはかる指標として、前回の記事
【気温が高いだけが「暑さ」じゃない!? 「暑さ指数(WBGT)」を知って熱中症を回避しよう!】では暑さ指数(WBGT)について解説を行いました。
WBGTは、「気温」「湿度」「輻射熱」にもとづき熱中症リスクを定量化する指標です。
しかし、熱中症の要因となるのは外気だけではありません。そのときに行う作業や、着ている服も、熱中症のリスクに大きく影響します。
そこで、熱中症予防のためには「衣類の組み合わせによる補正」と「身体作業強度等に応じたWBGT基準値」という2つを考慮する必要があります。
今回の記事では、この2つについてご紹介します。
目次 1.衣類の組み合わせによる補正 2.身体作業強度とは? 3.おわりに |
1.衣類の組み合わせによる補正作業の時に着ているものによっては、熱中症リスクが上がる場合があります。
以下の表は、厚生労働省の熱中症防止関連の資料などにまとめられているものです。
衣服の種類 |
作業服(長袖シャツとズボン) |
布(織物)製つなぎ服 |
二層の布(織物)製服 |
SMSポリプロピレン製つなぎ服 |
ポリオレフィン布製つなぎ服 |
限定用途の蒸 気不浸透性つなぎ服 |
WBGT値に 加えるべき 補正値(℃) |
0 |
0 |
3 |
0.5 |
1 |
11 |
※ 補正値は、一般にレベルAと呼ばれる完全な不浸透性防護服に使用しないでください。
※ 重ね着の場合に、個々の補正値を加えて全体の補正値とすることはできません。
こ
の表をもとに、現在の着衣に応じて暑さ指数(WBGT)へ補正値を加えます。補正によりWBGT値が3つ増えると「注意」から「警戒」に上がることもありますので、該当する衣類を使用することがある場合はしっかりチェックしましょう。この補正を行った上で、次でご紹介する「身体作業強度等に応じたWBGT基準値」を見ていくことになります。2.身体作業強度とは?身体作業強度とは、日本の国家標準のひとつである日本産業規格「熱環境の人間工学-WBGT(湿球黒球温度)指数を用いた熱ストレス評価(JIS Z8504)」に基づき作成された指標です。
身体作業強度等は以下のようにまとめられています。
厚生労働省「WBGT値を把握して熱中症を予防しましょう!」より
表の中にある「代謝」を分かりやすく言いかえると、「ヒトが作業に用いるエネルギー」のことです。
すなわち、表の下に向かっていくほど、「肉体的な負担が大きい作業」ということになります。
また、表の右を見ると、「熱に順化している(=暑さに慣れている)かどうか」でWBGT基準値が異なっていることが分かります。
私たちの体は、暑さに慣れるまで数日かかります。
もちろん暑さに慣れていない人の方が熱中症リスクが高いのですが、上記の表を見てみると、肉体的な負担が大きい作業であるほど、慣れている人と慣れていない人で基準値の差が大きくなっていることが分かります。
つまり、
作業が重労働かどうかはもちろん、暑さに慣れているかどうかで熱中症のリスクが大きく変わるということがわかります。
そのため、長期休み明けの人や、新入社員などの現場に入って間もない人など、屋外での作業に慣れていない人には特に配慮する必要があります。
3.おわりに
このように、一言にWBGTといっても、それを現場の熱中症予防に活かすためには、さまざまな要素から複合的に判断することが重要です。
すなわち、作業を行う前に以下のような流れで備えておくことが、現場の従業員の安全を守ることにつながります。
① 現地のWBGT値を把握する② それに衣類の組み合わせによる補正を行う③ ②で得られた数値と、身体作業強度に応じたWBGT基準値を比較して評価する④ ③をもとに、熱中症予防のための適切な処置を行う(作業の中止・変更や、休憩を増やす等)
このたび、シスメットの提供する
【自然災害防災システムZEROSAI(ゼロサイ) NETIS登録番号QS-150021-VE】では、「現場のWBGT」および「身体作業強度に基づくWBGT基準値」を簡単にチェックできるようになりました!
その他、ビジネスチャットと連携してWBGT基準値超過の通知を自動送信するなどの機能も充実!
熱中症のリスクを効率的に把握したい方は、ぜひ以下のバナーよりご確認ください。
【ZEROSAI】WBGT(暑さ指数)の予測ページに現在の身体作業強度を表示
【ZEROSAI】ビジネスチャットとの連携による熱中症リスクの自動通知について
最後までお読みいただき、ありがとうございました。